さて、アスリートを引退した人生って想像できますか?
実は筆者も5年間海外2部サッカーリーグでセミプロサッカー選手として活躍?していた時代もあります。その後、引退し現在は商社マンとして海外営業をしています。
どんなレベルの選手も必ず引退することになるのがスポーツの世界ですね。
特にサッカー、野球やバスケなど激しいスポーツほど選手生命は短いです。
もちろん、あなたが将来の南野拓実であれば、引退後も生活は安泰でしょう。
一方でもしあなたが生活するのにいっぱいいっぱいの貧乏アスリートだった場合、どうでしょうか?今後の生活を真剣に想像してみた方がいいかもしれませんね。
いまやJ1で活躍している選手もセカンドキャリアを考える時代です。
正直、毎月15万円サッカーで稼ぐのにどれだけの苦労がいるか分かりません。
筆者は貧乏アスリートでしたので、年俸1000万円とか2000万円の選手の事情は分かりません(笑)。でも同じアスリートとして引退を経験し第二の人生をスタートさせています。
そんな経験からアスリートのセカンドキャリアについて大事な考え方や現役時代に取るべきおすすめの行動をまとめます。
【アイデンティティーを増やす】
アイデンティティーとは人生の柱のようなものです。
基本的に運動が得意なアスリートはスポーツで活躍している自分を大きなアイデンティティーとして小さな頃から生活しています。
例えば、勉強はできないけど運動は得意で、サッカーが上手いから人気者だった。
野球が上手いから女の子にちやほやされた。水泳が速いからよく大人に褒められた。
結局はスポーツで飛びぬけてたから、尊敬されて、凄いと言われたわけです。
でも、いざアスリートとしてのアイデンティティーと決別するときに、自分を見失うことが多々あります。別の環境や社会に出てみれば何もかも分からない事だらけです。
いくら筋肉が人よりあっても、足が速くても、周りの評価は上がりません。
ここでいっきに自分の価値が低くなったように感じるわけです。
「Identity」は元々英語で「同一性」を意味します。
環境や評価される基準が変わり、いまの自分は本当の自分ではないと思うわけですね。
そして、今まで正当な評価を受けていたフィールドへ戻りたい、自分の居場所はここではないのかもしれない、と思うわけです。ある意味普通のことですよね。
そこでおすすめしたいのが、複数のアイデンティティーを持つことです。
現役時代からスポーツ以外のことで自分という存在を周りに認めてもらうことです。
簡単な例を挙げれば、家族、友人、恋人とアスリート以外の側面を共有する事です。
こうすることで、アスリートだから周りに認められているのではなく、ひとりの個人として周りに認められる感覚を少し持っておくことは今後、非常に役立つと思います。
【能力の輪を増やす】
複数のアイデンティティーを持つのはどの様な方法があるのでしょうか?
一番は能力の輪を増やすことがおすすめです。
正直な話、たまたま運動が人より上手くできたから周りの人が認めてくれた、褒めてくれた、だから嬉しくてスポーツが楽しくなったのが始まりです。
どんな人も承認欲求を満たすために、周りに認めてもらおうと頑張るものです。
そうやって幼いころから周りに認めてもらえる大きな柱を形成していくのです。
もし何か別のことでがきっかけで周りの人が認めてくれたら、おそらく今頃、科学者を目指していたかもしれないし、勉強が得意で東大に入っていたかもしれないし、別の形で得意な能力を伸ばすことで社会に認められる存在になっていたはずです。
そこで、特にひとつのことに集中して取り組み続けてきたアスリートにこそ、別の得意なこと、人よりできること、好きなこと、を探して能力の輪を広げる活動をおすすめします。
例えば、語学が人より達者な自分を作ってみると、周りからスポーツの特異な○○さんではなくて、英語が話せる○○さんは凄いと認識されます。
YouTubeで動画を発信している、発信者としての自分。
投資を勉強して毎月コツコツ利益を上げている自分。
アスリート以外の活動でビジネスを持っている自分。
など、○○さんはもちろんアスリートとしても尊敬しているけど、○○な部分も凄いよ!
こんな感じで能力の輪を広げることで、複数の人生の柱を形成していくのです。
実際に筆者も大学を卒業するまでサッカーしか自信を持てるものがなっかたですが、徐々に英語が話せる自分、海外インターンを経験した自分、海外の専門学校を卒業した自分、投資を始めた自分など、もしサッカーがなくても私はこんな人間ですと言える自信が少し付いた感覚を覚えています。
【アスリート人生に思いっきり挑む】
選手生命の短いアスリートはいずれ引退し第二の人生に進まなくてはいけません。
そんな限られた時間で思いっきりスポーツをプレーできるのは今だけです。
セカンドキャリアに向けて準備をすることはもちろん非常に大切な行動ですが、やはり一番はアスリートとして結果を出し、自分のアスリート人生に自信を持って次のステージに進むことが大切です。
ひとつのことを極めることでしか諦めることはできません。
「諦める」は「明らかにする」ことでもあるそうです。
つまり、自分のなかでやりきることが諦めるために必要なことなのです。
アスリート人生は諦める作業が多くの方にとって必要不可欠だと考えます。
怪我をしたり、才能のなさに気づいたり、努力しても結果が出なかったりします。
そんな経験を重ねても競技を続けているあなたは本当に素晴らしい情熱を持っておられる方ですので、なおさら中途半端なアスリート人生を送らないことは今後の人生にとって重要なことです。いましかできない挑戦をやりきってしまいましょう!
そうすれば、逆に時がきたら次のステージへすっきりとした気持ちで挑めるはずです。
【まとめ】
仮にいまアスリートを引退したとしても、セカンドキャリアを歩むうえで、価値のあった自分(昔)と価値の少ない自分(今)の乖離を小さくする作業がセカンドキャリアに気持ちよく挑むポイントになると考察しています。
成功するには能力の輪の中で生きることだという言葉があります。
つまり、アスリート時代に身に付けた能力の輪を引退後に使える可能性はありますが、どちらかというと物事に取組む姿勢が評価されがちで、新しいフィールドでの知識や技能は応用できる可能性が低いのが現実です。新しい能力の輪を現役時代に発見し、育てておくことは引退後のキャリアに重要です。
それを現役時代から考えながら、アスリート人生も引退後も含めてトータルで素晴らしい人生を歩むことが大切なことです。どちらか一方だけの人生に偏るのではなく、バランスの良い人生を考える必要性があるのではないでしょうか。
いまに精一杯挑戦しつつ、今後のキャリアも同時に考えて、アスリート人生もセカンドキャリアも充実させていきましょう!ひとつの考えとして参考になれば幸いです。
コメント