中小企業で働くメリット・デメリット

ビジネス(海外営業B2B)
同じ海外営業職でも中小企業で働くのと大手企業で働くのでは仕事内容や働くうえで得られることが違ってきます。自分の目指す働き方や経験を得られる企業選びをしたいですよね。
そんな中、いま海外営業職へ転職や就職を検討している方の参考として、今回は海外営業として中小企業で働くメリット・デメリットと優良中小企業の見つけ方をお伝えします。

【中小企業で働くメリット】

高い語学力と営業力が成長する

中小企業は大手企業の様に70~80点の社員を出身大学名を基準に多く集めて総合力で戦うことはできません。なぜなら、中小企業は雇用契約をたくさん結ぶ体力がないので人事では社長自ら面接し社員の選別を厳しく行っている傾向が強いです。特に海外営業部は少数精鋭の部隊となる事が多く、以外に聞こえるかもしれませんが、中小企業は非常に語学力も営業力も高い人材を確保しています。

そんな中で効率よく成果を上げるために、求められるスキルも高く、大手企業のように歯車として動くというよりは、自分で考えて積極的に成果を上げることを求められます。この点で海外営業職としての求められる基準も高く成長スピードは早いと言えるでしょう。一方で丁寧な研修制度などはなく、OJTでの指導が基本なので、自ら質問し学んでいく姿勢が大切です。

仕事内容が多種多様

中小企業の場合、幅広い仕事に携れることが多いです。海外営業であれば市場調査、仕入れ先へのアプローチ、営業活動、貿易実務、納期調整、納入後フォローアップといった一連の流れを基本的には各案件ごとにすべて担当することとなるでしょう

モノやサービスを売るまでの一連の流れを自ら体系的に学び、実行することができます。営業活動や仕事への手応えを感じやすく、幅広い業務を経験できます。

また、経営層や上司との距離が近い分、「自分のスキルやアイデアを提案したい」と考える人なら、実力を発揮するチャンスが多いです。筆者は新入社員のころ、海外事業部の直属の上司が部長であり、二人三脚で仕事を進めさせて頂きました。会社として利益を出す視点と3年後への種まきをす視点の両方から日々の業務に携われた点は非常に良かったと思いますし、新たな市場を一から開拓し売上をあげる体験ができたことに非常に感謝しています。

スピード感を持って仕事ができる

経営者や所属部署の部長や次長との距離が近く、承認を得る手続きもシンプルなケースが多く、許可を得やすかったり、提案したアイデアを早速会議にかけてくれたりなど、会社全体の行動が迅速で待つというストレスがなく業務に取り組めます。なかには「とりあえずやってみたらどう?」という様な社風の企業もあります。筆者のように挑戦的で行動的ですが待つのが苦手なタイプには合っているかもしれません。海外営業部内での承認だけでもたまに遅さを感じているくらいです(笑)

取引先のお客様からするとスピード感を持って対応してくれるので有難いなどといった評価も多いため、大手企業とは違ったスピード感での仕事を経験できます。

良くも悪くも社長次第

中小企業の場合、トップの考え方が社風や企業文化に色濃く反映される傾向にあります。そのため、自分の考え方に合う社風や企業文化を持つ中小企業なら、仕事に対する満足度も上がるでしょう。

中小企業の場合、社員が少ない分、風通しが良くアットホームでコミュニケーションが取りやすい傾向が強いです。大手企業に比べ、異動や配置転換も少ないですし、自分の意見が働き方や仕事の進め方に反映されやすいメリットもあります。あくまで社長のGOサインがでればの話ですが。

社員が少ない分、部門間の壁がなく人間関係がかなり直接的に自分の仕事効率に反映されるので、お互いにチームワークを大切にしたいといった気持ちも働きやすいのです。

営業実績がダイレクトに反映される

中小企業で働く場合、各案件を基本的には担当者一人で1から100まで進めていくことが多く、売上が上がれば当然、担当者の評価が大手企業よりもダイレクトに個人の結果として評価されやすく、賞与や昇給などへ反映されることも多いです。前述したとおり良くも悪くも社長の評価方針次第ですから、賞与や昇給に決まったガイドラインはなく、大幅な増加なども多々あります。

もちろん、会社の売上は社員全体での売上という点は大手企業と変わりがありませんので、全社員に還元されますが、大手企業と比べると頑張った分は自分により多く反映されるでしょう。

一方で特定の人しか分からない案件や業務内容がある場合も多く、あの人がいないと仕事が進まないといった悪循環を生み出してしまう企業もあります。これはできる人が営業実績を作り上げてきた証ではありますが、個人ではなくグループでの営業活動ができているか確認をしてみる必要もありそうです。

【中小企業で働くデメリット】

福利厚生・教育制度の欠如

企業によってばらつきはありますが、やはり中小企業で働く場合、福利厚生は大手企業の方が整っていることが多いようでしょう。大手企業は年金・保険制度の充実だけでなく、社宅の完備または家賃の補助、研修制度、なかには語学力を身に付けるための資格支援を受けられる企業もあると言われています。

一方で中小企業は福利厚生面で少し曖昧な部分もありますし、大手企業ほどの手厚い支援は期待はできないと思います。また、基本的にOJT育成になりますので、研修制度などは大手企業と比べると心細く、やりながら経験して覚える様な状況になります。

ネームバリューで営業できない

大手企業であれば「有名な企業で業績も良く将来的にも安心」といったイメージを持たれるため、お客様からの信頼を得られやすい傾向があります。また、製品やサービスの品質を疑われることも少ないでしょう。例えば、営業マンの実力には関係なくキーエンスからセンサーの営業がくれば、一回話を聞いてみるかとなるかもしれませんね。

一方で中小企業はネームバリューに頼った営業活動はやりにくいです。新規営業をしても「どこの?何やってる?企業ですか…?」的な雰囲気を出すお客様も多いのは事実です。

それでも、営業力次第で改善できる問題ですし、中小企業でも素晴らしい製品やサービスを提供する企業が非常に多くありますので、この点は考え方次第です。この様な環境下で実績を出せる営業マンであれば、どこの会社に行っても営業の本質を理解して実績を上げていけるでしょう。

会社の安定性や企業体力が低い

大手企業は企業規模が大きいため、社員からすると何か問題が起きた場合でも企業体力があるので比較的安定感を持って企業に所属できるでしょう。

一方で中小企業は企業規模が小さくや体力が少ない企業も多く、COVID-19などのパンデミックや金融危機などの有事の際に心配事が増える可能性は比較的大きいです。

給与(ボーナス・昇給を含む)が低い傾向

大手企業の給与は、ボーナスや各種手当、昇給などを合わせると、一般的には高い傾向にあります。手当の種類も多く、定年時の退職金制度についても規定がしっかり設けられている企業が多いです。

一般的には中小企業の給与水準は大手企業よりも低いと言えますが、中小企業でも給与水準が大手企業と比べて遜色ない優良企業は多いです。企業や業界選びに依存します。

【大手企業にも優る優良中小企業の特徴】

業界の成長性

やはり、業界の成長性は企業にとっての社員にとっても非常に重要な特徴となるでしょう。

例えば、どれだけ頑張って働いても市場が衰退していれば売上は小さくなりますが、市場が成長していれば適度に働いているだけであなたの給与水準は高くなるでしょう。

残存者利益といったケースもありますが、基本的には市場の流れには逆らえません。

どれだけあなたが優秀な点取り屋でもチームメイト(市場や企業)のサポートやモメンタムがなければ良い成績を出すことはできません。市場や業界が成長していれば安定性や企業体力といった面での心配もかなり減少することができますね。

B2Bニッチな業界分野での知名度

B2Cのビジネスは薄利多売のモデルになりがちですし、そもそも海外営業としての仕事は多くないかもしれません。やはりおすすめなのはB2Bのニッチな分野で知名度が高く、業界実績がある企業の海外営業職はお客様に対して担当者としての市場価値やプレゼンスを高めやすいです。

また、そういった企業であれば利益率を維持しつつ安定的な売上成長をしている可能性が高いと思います。中小企業でも特定の分野で大きな業界実績や強みを持っていれば、給与水準が高く、残業も少ない傾向にあるのではないかと思います。

業界での知名度と実績があれば、それは大手企業でなくても業界内でのネームバリューがある企業ですので、大手企業にも負けないくらいの環境下で営業をできるはずです。

国際的競争力や事業展開をしている

国内人口減少が進むにつれて、国内市場は今後さらに小さくなることは間違えありません。

そんな中、やはり海外展開していて、国際的な競争力を持っている企業は強いです。国際的な市場を開拓しているということは、市場のパイが大きくなりますので、その分売上や利益を上げる可能性は大きいということになります。

そして、ここで活躍できる職種はズバリ海外営業職でしょう。

今後、グローバル化がさらに加速するにつれて、海外企業と活きたコミュニケーションを取れる人材はますます貴重な存在としてプレゼンスを高めていけると思います。

もちろん、自動翻訳もありますが、対面で直接商談をする力は必須でしょう。

【まとめ】

筆者も中小専門商社で海外企業として働いていますが、今回記載したメリット・デメリットを踏まえたうえで仕事を選びました。また、各デメリットに関しては戦略的に企業を選定することである程度解消できると思います。

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