【お客様も会社員、働く目的は何?】
皆さんが働いている目的は生活費を稼ぐためだと思います。仕事で得られるものはお金だけではないことは承知ですが、先ずはお金を稼ぐことで生活を楽に豊かにすることがひとつの大きな目的だと思います。
お金を稼ぐには会社や上司から評価をされなければなりませんね。日々の仕事の中で会社や上司からどの様に評価されるか、見られているかを意識している人は多いでしょう。
つまりは会社の求める行動を軸に仕事をしていくことで昇給したりボーナスに反映されたりする訳です。(ここではそれだけを軸に働くことの良い悪いは議論しません、なぜなら当然ながら就職をする時点である程度会社の方針に共感をしていると仮定します。)
何が言いたいかと言うと偉そうに見える役職のあるお客様も会社から雇われていると言うことです。例え肩書きが社長でも雇われ社長であれば、グループ全体や株主から求められている役割を全うしなければならないでしょう。さもなければ社長としての肩書きは奪われてしまう可能性が高いです。オーナー社長以外はみんな会社員だということです。
【お客様個人にとってのメリットはお客様が会社から評価されること】
さてここからが本題ですが、あなたは日々の営業活動の中でお客様個人(調達・購買担当者)にとってのメリットを提案できていますか?ここを意識して提案ができている営業マンはどのくらいいるでしょうか。
つまり、ここで非常に大事なのは、製品・サービスを提案する上で、お客様の会社にとってのメリットとお客様個人にとってのメリットをどちらも把握し・提示することです。
お客様が会社から求められていることが仮にコスト削減であれば、コスト削減に貢献できる製品を提案するべきです。一方でより高品質の製品を導入し、最終製品の品質向上を目指しているのであれば、高単価でも高品質な製品を提案するべきでしょう。なぜなら、一般的にはお客様の欲しい製品やサービスは多くの場合、お客様の会社方針と密接に繋がっているからです。ごく当たり前のことではありますが、意識的に営業活動をされている人は少ないのではないでしょうか。
いまお客様個人は何を達成し、どんな目標(成果)を目指しているのかを共有する作業や推測し仮説を立てる作業は非常に大事です。特にB2Bの営業の場合、お客様が組織の中で求められていることを達成できる製品・サービスを提案し、時には情報を提供することが重要です。お客様個人にとっても社内での評価が上がる仕事となれば協力を得ることができますし、購入の承認を得るために必要な行動まで教えてくれるようになる可能性が高く、実際に売上を上げれる確率が高いです。
【取引先会社方針とお客様の求めるものに大きなギャップがある場合】
仮に取引先会社方針と実際に大きく異なることをお客様が希望する場合はどうでしょうか?正直な話、この様な状況で営業マンが勘違いしてしまうことが多いです。
実際に話をしている購買・調達部門や開発部門ご担当者が高品質の製品を導入したいと「個人的」に考えていたとしても、基本的には会社全体の流れには逆らうことができません。
つまり、あなたが提案している製品・サービスはご担当者個人の興味関心を引く製品・サービスですからお客様からの反応が良いです。この様な表面的な状況から買ってくれるのではないかと勘違いしてしまうケースが多いのです。
いくらお客様個人が開発したい新材料を求めていても、組織の求める事とリンクしていなければ、お客様は社内で承認を得ることはできないでしょう。場合によっては購買・調達部門ご担当者は開発部門と交流があり、その様な製品情報を集めているだけかもしれません。
仮にどれだけあなたと話が合っても、あなたから製品・サービスを買うことができないかもしれません。
【勘違いしないためには組織と個人がリンクしているか見極める】
営業担当としてお客様自身の求めていることがお客様の会社方針とリンクしているかをしっかりと見極める必要があります。つまり、対自している調達・購買部門、または開発部門のご担当者は仕事のできる人かできない人かをじっくり観察しましょう。
仕事のできる方は会社が何を求めているのかをしっかりと把握しています。どの様な製品・サービスを調達すれば個人の評価に繋がっているのかを考え、何が欲しいかをあなたに明確に伝えてくれるでしょう。お互いの会社にとって、お互い個人同士にとってメリットがある提案をすれば、購入まで踏み切ってくれる可能性が高いです。
また、その他の視点の一つとして、お客様の会社は購買主導なのか?開発主導なのか?を見極める必要性があります。仮に購買主導(コスト重視)の会社方針なのに開発担当者と話をしてコスト度外視の提案をしてしまえば、いつも気に入ってくれるのに購入まで繋がらないと言った話になります。
一方で仮に開発主導(品質・新技術重視)の会社方針であれば開発担当者と話をある程度進めて、製品・サービスを気に入ってもらってから購買部門と価格を詰めるのが良いでしょう。いくらコスト面が魅力的で購買担当者の興味が強くても、品質面での向上が期待できなければ会社として採用を検討する可能性は低いです。
購買主導か開発主導かも実は会社の方針やビジネスモデルに大きく関連していることも多いように感じますので、ホームページなどをじっくりと読み込むことで会社の方針(性格)が分かります。
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