経済的自由と早期リタイア

お金
さて、世間ではFIRE(Financial Independence Retire Early)活動がプチブームですね。
そんな中、今回はFIREのデメリットについても考察してみたいと思います。
経済的自由を手に入れて早期リタイアするデメリットなんてあるものか!といった声が上がっているとは思いますが、どうか心を広く持って最後まで記事を読んでみてください。

【FI(経済的自由)の意義とは】

会社員の立場は安定的給与所得という側面ではとても恵まれています。

営業成績がとてつもなく悪くても毎月一定の給与所得が得られるのは会社員だけです。

成績優秀な営業マンが成績の悪い営業マンの分も売上を上げているのです。

一方でFIREのFI(経済的自由)を達成する意義はとても大きいでしょう。

会社に頼らなくても自分や家族の生活を守ることができる状態を持つ事で、心に余裕が生まれます。いつでも会社を辞められるという自信があれば、会社への依存度を引き下げることができますね。つまり自分自身の中の選択肢がある状態を作ることが大切です。

選択肢がない状況に人は不安や生きづらさを感じると思います。

嫌な仕事をやらされる毎日しか選択肢がないと嫌な気持ちが火のように燃え上がります。

でも辞める選択や別の道を選ぶ選択があることが分かると、いざとなったらこうしようと、自然と気持ちが楽になるものです。

仮に半経済的自由を達成できたと仮定しましょう。毎月15万円の資産収入がある場合、いまの仕事への感じ方や考え方は同じ仕事でも違ってくると思います。経済的自由を少しでも達成すると心の余裕が違うのです。仕事に追われるのは、この仕事を、契約を、資料を、何とかやらないと…切羽詰まった状況は毎月15万円の資産収入で変わるかもしれません。

経済的自由の意義は選択肢と自由度を増やすことで心に余裕を持つことができる。

そして、経済的自由の達成度によっては心からやりたい事に挑戦する後押しにもなります。

【RE(早期リタイア)を目指す前に考えるべき空白の20年間について】

いつからかRE(早期リタイア)できたら楽だろうなと思い出してFIREに興味を持ったり、目指して投資を始めたりする方々は多いと思います。筆者は会社をやめる事が目的になってしまう場合に少し疑問を感じます。つまり、早期リタイアを達成した先の目的があるかないかで、早期リタイア後の人生が変わってくると思うからです。

あなたは早期リタイアを達成したら何をしたいのでしょうか?

ただ単にいまの会社を辞めたいのであれば、極端な話をすると勇気さえあれば会社を辞めることは今すぐにできますし、当面の生活費は働く気さえあればアルバイトでも多少は賄えます。早期リタイアを達成して何をするのか?この点は事前に考えておく必要のある大変重要なポイントだと思います。

ぼんやりと周りの流行りに流されて早期リタイアを目指すよりも、社会的繋がりのある生活を送る方が幸せな場合もありますよね。またいまの会社を辞めて早期リタイア後にやりたいことは、毎年250万円の資産収入を得るための6500万円もの金融資産を急ピッチで貯めるに相応しい価値があるのかも熟考する必要があるかもしれません。

毎月給与収入の50%以上を金融資産の購入に回し、20年間で6500万円もの金融資産を作り上げることは並大抵の事ではないでしょう。その半分の25%を別の有意義な経験や思い出に回す事ができるかもしれませんよね。ここで考えるべき空白の20年間は会社を辞めたいが一心で生活を切り詰めFIREを目指すことで失う経験、思い出、出会い、楽しみをどう考えるかです。

あなたが年収1000万円を優に超えていて、金融資産を急ピッチで貯めつつ日常を楽しめる稼ぐ力があれば可能かもしれませんが、日本の会社員の平均給与は500万円を下回ります。

人生で大事なものに目を向ける必要性もありそうです。

【人的資本の最大化により会社から自由になれる】

では、空白の20年間に経験できる体験や学びに投資することの意義について解説します。

先ずひとつは有意義な経験や思い出を若いうちに体験できることですね。

人生最後に幸せかを決めるのは単純に良い思い出や、その時は大変だったけど結果笑えたり成長できたと思える体験の数によるとの調査報告があるのは事実です。

一方で家族を持ち、思い出を作り、投資を全くせず経済的自由を捨て、会社員として平凡に働き続けることが本当の幸せだとは一概には言えませんよね。

それでは平凡な家庭に生まれた私たちは経済的自由を達成し空白の20年間を捧げるか、経済的自由を諦め思い出と体験を得るの二択なのでしょうか?

ふたつめの若いうちに教育、経験に対する投資をすることの意義として、「その経験、体験、学び、思い出はあなたの血となり肉となり人的資本を大きく高めてくれる」です。

また、たまの浪費をしてしまうことも良い経験、学びのひとつです。

“人的資本とは具体的には、個人が身につけている技能・資格・能力等のことを指し、人的資本への投資は、生産力や経済活動への貢献につながると定義されています。”(引用)

つまり、あなたの稼ぐ力を大きく伸ばしてくれる非常に重要なものです。

分かりやすい例としてMBA取得に1000万円を払い、2年間必死に勉強する人がいるのは、その1000万円を資産運用に回すよりも、教育と体験に投資した方が今後の人的資産が高くなり、FIを達成するスピードが上がるからです。

筆者の場合は大学を卒業後、5年間海外で生活する中で、プロサッカー選手として夢を追い、英語を学び、異文化を体験し、人脈を作り、人間的にも一回りも二回りも成長できたと思っています。この体験があってこそ海外営業として働けていると思います。

この5年間は恥ずかしながらかなり貧乏で華やかなサッカー選手人生を送ってはいませんし、投資の経験もありません。資産はほぼゼロです。それでもこの期間の経験や体験が大いに人的資本を高めてくれたのではないかと個人的には思っています。

いつ、どのくらい人生を楽しむか?経験、体験へ投資するか?を再考する必要があります。

ここでは浪費も大いに豊かな経験となります。投資をしているとどうしても浪費は悪とされがちですが、恋人と美味しいもの食べに行く、家族旅行へ行くなど人生を豊かにしてくれる浪費も必要でしょう。

【おすすめは半経済的自由の達成+稼ぐを勉強する+浪費を楽しむ=バランス型】

毎月収入の25%をコツコツ投資に回しながら、日常生活を豊かにする投資(教育・体験・経験)や浪費(趣味・旅行・ご飯・など)にお金を使っても良いと考えることです。

完全に経済的自由を達成するにはかなりの資金を急ピッチで形成しなければならず、人生に空白の20年間を作ってしまう危険性がありますので、先ずは半経済的自由を目指すのはどうでしょうか?

資産6500万円で毎年250万円を得るのはかなりのハードルですが、資産3250万円で毎年約130万円を得るのは少しハードルが低いのではないでしょうか。

これでも場合によっては会社を辞める選択もできる金額ですし、自己投資やたまの浪費をしつつも達成できる可能性が高いです。

そして、経済的自由の達成を早めたい場合は、稼ぐ力を勉強し実践してみるのが良いのではないでしょうか。副業でブログや小さなビジネスを始めてみるや、本業で昇進を目指すなど収入を増やすことに力を入れてみるのが良いでしょう。

こうして「自己投資」と「金融資産への投資」のバランスを取りながら、20-30年かけてゆっくりと資産形成をしつつ、人生を豊かにするために投資をするのが多くの方にとっておすすめできるのではないかと思います。

もちろん、収入の50%をガンガン投資に回してFIREを達成することが幸せであり、豊かな人生であるとの意見もあり否定はしていません。あくまでも今回はひとつの考え方として書かせて頂きました。

【ベストは好きなことを仕事にする】

最後に筆者を含め多くの会社員の皆さまが現在の仕事に折り合いを付けながら日々邁進していると思います。そんな中、ベストはやはり好きなことで稼ぐことですね。

経済的自由を達成したいとか、会社から自由になりたい、依存したくないと願うのは、その仕事が本当にやりたいことと違うからだと考えています。好きな仕事なら死ぬまで働きたいと思うのが普通ですから、この状況が作れればベストですよね。

筆者も自分が心の底から楽しいと思える仕事や職場環境を作ったり、副業を通して多くの人の悩みを少しでも解決できる助けになればと、日々好きを増やしていきたいと思います。

【まとめ】

今回はFI(経済的自由)の意義とRE(早期リタイア)への考え方に関して解説しました。あなた自身にとって本当に大切で価値のあるものを大切にする重要性や「なぜ」FIREを目指すのかについて再度考えてみると、今まで漠然と投資ばかり頭に浮かんでいた状況からひとつ違う視点を持つことができるのではないでしょうか。各個人によって幸せや豊かさは違いますので、皆さんの思う幸せと豊かさに合わせて「自己投資」と「金融資産への投資」のバランスを決めていきましょう。

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