海外営業 VS 国内営業 7つの違い

ビジネス(海外営業B2B)
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海外営業を目指しているけど国内営業と何が違うのか知りたい。
海外営業ってエリートなイメージだけど自分にも挑戦できるのか。
今回は海外営業と国内営業の7つの違いについて解説していきます。

代表的な違いと言えば英語力ですね。一部の地域を除いては英語が話せなければ海外企業とのコミュニケーションができないのは事実です。一方で英語力が高ければ海外営業として活躍できるのかは、また別に話です。今回はその辺も含めて大きな7つの違いについて解説していきます。

【担当エリア・範囲の違い】

当然のことながら海外営業の場合、輸出であれば顧客は海外企業となりますし、輸入であればサプライヤーが海外企業となりますので、海外企業相手にすることなります。

また、海外営業の担当地域は国内営業よりも広く多くなる傾向があります。

なぜなら、海外営業部は少数精鋭の場合が多いことに加えて、海外営業に求められる大きな役割として未開拓市場の新規顧客開拓ですので、ひとりで数か国のエリアを担当することは日常茶飯事です。

国内営業であれば市場が成熟しているため狭い範囲でも多くの顧客がいる背景もあり、広くても関東とか東北といった範囲のエリア担当です。

【商習慣・文化の違い】

島国の日本で育つと異文化に触れる機会はまだまだ諸外国に比べて少ないですが、やはり実際に各国によって大きく商習慣や文化の違いがあり、当然ビジネスにも影響してきます。特に国内営業に慣れている場合、海外企業からのレスポンスや対応に少しイライラしてしまうかもしれません。

仕事の質に関しては、国内の当たり前は諸外国では当たり前ではないため、言葉通り1から10まで説明しないと求めている質の仕事をしてくれる海外企業は少ない印象です。国内基準の100%を求める必要があるときと、たまには相手に合わせるメリハリや異文化に合わせる忍耐力が必要になります。

もちろん、各企業の質や対応スピードは異なりますし、各国によっても変わります。
パーフェクトな仕事をしてくれる取引先もいますので、あくまで一般的な情報です。

特に注意が必要なのは、米国や欧州は特に契約社会で、日本や東アジア諸国のように曖昧な部分を残しておくことを良しとしていません。普段はフレンドリーな取引先の担当者も、何か問題があった場合は契約だからとドライに一蹴されるので注意が必要です。

【時差/営業時間の違い】

海外営業の場合、時差にも対応していく必要があります。

例えば、東アジアや東南アジアの国であれば日本とは数時間の時差ですみますが、欧州諸国は基本的に日本の夕方が彼らの朝になりますから、会議や電話など直接話せる機会は限られいますし、サマータイムも考慮しなければなりません。ましてや米国や南米となると朝と夜で真逆…そのため、企業によっては担当地域に合わせた時差出勤が認められています。

直接いつでも話せる国内取引先とは違って、海外営業マンは各国に応じて時差を考慮した業務計画を立てる能力が必須です。

特に時差の大きな国を担当する場合、英語を使ってより正確で明確なコミュニケーションを取る必要があります。なぜなら、少しの曖昧なメールや電話が誤解を招き訂正依頼を必要とするなど、国内営業と比べて同じ作業でも時間が2倍、3倍とかかってしまうことがあります。

急ぎの対応が求められる時ほど、冷静に正確に必要な情報を明確に伝えることが非常に重要です。しまった!電話で訂正しようなんて通用しない国もありますので注意が必要です。

【通貨の違い】

海外営業の場合、各国が使用する通貨の違いにも対応します。
米ドル、ユーロ、円、元、など、決済通貨は様々ですので、国内営業の場合とは異なります。

通貨が違うということは為替リスクも生じるので、この点も十分に注意が必要になります。

この様な背景から、場合によっては円建て決済の交渉や為替予約を使用するなど、様々な方法を要いて商取引をよりスムーズに行うための知識も必要になります。

【政治体制・法律・制度の違い】

国内営業であれば、日本の商法など国内の法律が適用されますから、法的なトラブルになっても同一のルールで争えますが、相手が海外の場合、規制する法律やルール、商習慣、労働慣行が異なるため、いわゆるカントリーリスクが発生します。

そのため英文契約書には、通常いずれの当事者も、自社の所在国の都市、自国の仲裁機関、その仲裁機関で選択可能な仲裁規則を希望います。自社が契約交渉上優位な立場にあれば自社の希望通りになる可能性もあるからですね。

一方でそう簡単ではなく、いずれの当事者にもアクセスがし易く仲裁に関し定評や実績のある第三国の都市・仲裁機関・その仲裁手続で仲裁を行うなどの契約が一般的で、この様に国際情勢の理解を踏まえた契約書の締結などが必要です。

【必要なスキル、知識の違い】

海を挟んでの取引となる海外営業に求められるスキルと知識にも国内営業と違いがあります。

英語力

目安としてTOEIC700-800点くらいは最低限必要なレベルです。
正確な意思の疎通をするためには最低でも700点は欲しいところですね。

貿易実務の基礎知識

実際にモノを海外に送ったり受け取ったりする場合は貿易実務の知識も不可欠です。
輸出入に必要な手続きと書類、通関手続き、インコタームズなど、勉強をしましょう。

交渉力

相手よっては足元を見て、相手にとって都合のいいように交渉を進めようとしてくる海外企業も多いです。海外企業の方がより自己利益を追求した提案や契約条件を提示してくる可能性が高いので、勝ち負けを付ける必要はありませんが、主張するべき点は「なぜ」を明確にして合理的に説明し、主張する力が必要です。

コミュニケーション力

英語力は必須ですが、もっと必須なのがコミュニケーション能力です。
情報を正確に伝え、受け取る、そして時に気持ちを伝えることも必要です。

必ずしも取引先の担当者がネイティブスピーカーではありません。
お互いに第二言語を使用して商取引を行う際には、理解の相違がないかを何度も確認し、失敗を恐れず恥をかきながらも創意工夫する泥臭い作業も必要になります。この様な観点からコミュニケーション能力は必須となるでしょう。

日本人は謙虚で素晴らしいと表現されがちですが、ときに謙虚さは弱さに映ることがあります。どの様に振る舞うべきか?どの程度の自己主張をし、意見を強くぶつけるべきか?この様な点をしっかりと把握する必要があります。また、自己主張をするためには自分の考えを英語に変換し伝える力も必要になりますので、英語力を常にブラッシュアップすることが重要です。

【海外営業と国内営業の難度の違いは?】

正直、取引先から求められるスキルや技術的知識はやはり日本企業の方が高いという印象です。
日本の顧客は技術レベルと要求レベルが世界的に見ても非常に高いですので、国内営業で身に付けたスキルは海外営業でも大いに役立ちます。

もちろん、海外営業には海外相手ならではの難しさや、純粋に言語の壁など必要なスキルは多いのは事実です。一方で国内のお客様にモノやサービスを購入して頂けたのであれば、あとは英語で同じように海外のお客様が求めている課題を解決してあげれば良いとも言えます。つまりは、営業の基本を身に付けていれば国内でも海外でも営業活動に関してあまり関係がないとも言えるかもしれません。

海外営業を目指して語学力、諸外国の商習慣の理解、交渉力(自己主張)など身に付けておくべきスキルはあれど、ほとんどは海外営業になってから経験を通して取得できるスキルばかりです。まずは営業としてモノやサービスを売る力を付けましょう。

【まとめ】

海外営業としてよりグローバルな環境で仕事がしたい場合、英語、貿易実務、異文化理解といったスキルを勉強しつつ、営業として成長していきましょう。
海外営業部への移動や転職を通してあなたの求める理想の働き方を手にしましょう。
もちろん、海外営業も営業職ですので、泥臭い仕事もありエリートというよりも、フィールドの違う営業との認識を持つ方が良いでしょう。

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