報連相は報告・連絡・相談ですが、空雨傘は空を見て・雨が降りそうだから・傘を持って出かけようです。なんじゃそれ?今回は空雨傘について解説していきます。
【記事を通して学べるとこ】
入社1年目は報連相で周りの信頼を得て、自分を大きなミスから守ることが大切です。
基本の報連相ができない新人より、周りの評価が高いのは間違えありません。
でも、ここで満足していては社会人としてステップアップできませんね。
報連相で自分を大きな危険から守ることができるようになったら、次は自分である程度のことを判断して業務を進める力を伸ばしていきましょう。その初めのステップが空雨傘です。
上司からきっとあいつに任せて置けばある程度の方向性は間違わないだろうと信頼して業務を任せてもらう、ちゃんと考えて業務に取り組んでいる新人だと認めてもらうために非常に大切です。
【空雨傘の考え方】
空雨傘は報連相のある意味進化版であり、基本は報連相がベースです。
報連相が事実を客観的に報告・連絡して上司の意見を聞く(相談)だったのに対して、空雨傘は今後の展開を自分の意見を交えて上司に相談し業務の方向性の確認を得ることです。
空
空を見るとは、事実を客観的に見る作業です。
現在、どの様な状況なのかを理解して、現状を正確に把握することが重要です。
例えば、お客様からの注文頻度が少しずつ増えてきた。
以前は3か月に一回だったのに、現在は2か月に一回注文があるな。
こんな感じで過去と現在を比較して現状を把握することが空にあたります。
雨
雨が降りそうだな、と未来の仮説を立てる、予測する作業です。
現状を正確に把握した上で、事実に基づいて未来の仮説を立ててみましょう。
例えば、お客様からの注文が増えている背景は何だろう。
市場が活発になっていてお客様は在庫をいま増やしている状況かな。
もしくは、競合他社に問題があったのかな。
といった感じてなぜいまの状況があるのだろうと仮説を立てていくことが雨にあたります。
傘
傘を持って出かけよう、と仮説を基に行動に決める作業です。
現状を把握して、仮説を立てたら、最後は仮説を基に行動を決めましょう。
注文が増えている背景が市場が活発になっていると仮説を立てたとしたら、弊社も今後の市場からの需要に備えてある程度、事前に準備をしておく必要があるな。
今後訪れる大きな注文・売上を逃さない為にも、上司に立てた仮説を基に相談しよう。
こんな流れで上司も相談されれば、よく考えて営業活動をしてくれてありがとう!
早速、準備を検討するべきか話し合おうとなる可能性が高いです。
【空雨傘のメリット】
論理的思考を自然と身に付けることができる。
事実を客観的に見る→事実を基に仮説を立てる→仮説を基に行動する。
まさに教科書通りの論理的思考を構築する順番が空雨傘と言う訳です。
報連相は事実を報告、連絡し、次のアクションを上司と相談して決める流れですが、空雨傘は一歩進んで、現状から自分なりの仮説を立てて、実行することです。
空雨傘はある程度の経験がないと仮説を立てるための引き出しがないので難しいという背景から、先ずは報連相をする。その中で上司や先輩の対応を学び、経験を蓄積した上で空雨傘を意識して仕事を進めてみるのが良いです。
コミュニケーションがスムーズになる。
上司もある程度の知識と経験を伝えた後は、あなたに主体的に各業務を担当して欲しいと思っているものです。報連相は中堅社員になっても非常に重要な作業ですが、新人の頃から事実も基に仮説を立てる作業を繰り返し実践していくと良いでしょう。
上司への報告も、「事実・仮説・だからこの行動を取ろうと思います」がいかがでしょうか?
こんな形でひとつレベルの高い報連相ができれば、上司にあなたの意図がすぐに伝わります。
仮説を上司にぶつけるだけでひとつ損失なしの失敗を経験できると言うことですね。
営業力をUPできる。
空雨傘は営業の基本となります。
当たり前に聞こえる営業のセオリーですが、多くの営業マンが実践できず、報連相で止まってしまいます。なぜなら、空雨傘は考える作業が報連相に追加されているからです。
考えることは面倒ですので、多くの新人営業マンが事実に基づかない解釈をしてしまったり、事実を基に仮説を立てることができないことは多々あります。上司へ報告・相談する前にその解釈は本当に正しいか?事実に基づいて立てたお客様のニーズ(仮説)は?を意識して考える癖を付けましょう。
特に日々の業務に追われている中で、この作業は非常に手間のかかるものです。
それでも空雨傘を実践し、論理的思考をできる新人営業マンとなりましょう。
【海外企業は論理的】
空雨傘で論理的思考を身に付けるのは、海外営業マンとしても非常に役立ちます。
なぜなら、海外企業は非常に論理的で、「なぜ」相手にとってメリットがあるのかを論理的に説明できない限り、話を聞いてくれない場合も多々あります。
つまり、空を見て、雨が降りそうだから、傘を買ってくださいね。
と提案が客観的事実に基づいていることでやっと話を聞いてもらえるのです。
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