海外営業とは?仕事内容は?

ビジネス(海外営業B2B)
グローバル化がますます進む中で海外営業の需要はますます高まりつつあります。
将来は商社やメーカーで海外営業を目指し、日々努力している人も多いのでないでしょうか。
そこで、今回は海外営業ってどんな仕事なのかを現役専門商社マンがお伝えします。

【海外営業とは】

海外営業とは海外市場への販路拡大や販売促進、または逆に海外市場から材料や製品を調達し国内市場への販路拡大や販売促進を担当する営業職です。海外営業の役割は大きく分けて2つあります。

1.海外へ国内のモノやサービスを売る輸出
2.国内へ海外のモノやサービスを売る輸入

海外営業の業務には新規開拓・既存顧客のフォロー・価格交渉・マーケティング・クレーム処理・契約業務などがあろます。どれも国内営業でも行う業務ですが、海外営業ならではの必要なスキル、知識、注意点などが多くありますので解説していきます。

最大の違いはもちろんお客様、またはサプライヤーが海外企業である点ですね。
また当然のことながら英語などの第二言語がある程度、堪能である必要があります。

どちらかと言えば海外営業の方がより新規顧客開拓の役割がより強く求められ、国内営業とは違って海を渡っての商取引となるので貿易、為替リスク、世界情勢に関する知識が求められます。一方で基本的には営業職ですので、モノやサービスを売るという本質的な役割は変わりません。

【主な仕事内容】

海外への販路拡大や販売促進(輸出)

国内マーケットが年々縮小していくなかで、多くの企業が海外への進出をしています。
そこで、海外営業の主な仕事として海外市場での新規顧客開拓があります。

業務の概略としては市場の調査を始め、ターゲット海外顧客へのアプローチ、製品提案、価格交渉、成約、最後は製品を輸出し納入するのが役割です。

海外市場に詳しくなる必要がありますし、何より英語(その他第二言語)を使用して、論理的に商材のメリットを説明し、購入を検討してもらい、クロージングをする必要があります。
ときには海外出張をして直接プレゼンをする、訪問して交渉するなどの業務も発生します。

最初は苦労しますが、ある程度の専門知識が英語で分かる、話せるようになれば、あとは基本的には同じ作業の繰り返しです。国内営業で使用する営業トークを英語ですると言えば分かりやすいと思います。

既存のビジネスを担当する場合は納期調整やクレーム対応などを行い、さらなる売上拡大を目指し課題の深堀やクロスセルで海外顧客へ関連商材の提案を行います。

海外からの材料・製品調達(輸入)

国内の材料や製品よりコストが安い、または品質や性能が良いモノやサービスを競争力UPのために海外から調達したり、BCP(事業継続計画)の観点から海外サプライヤーからの調達を検討する国内企業への提案と営業活動を行います。

業務の概略としては海外サプライヤーへコンタクトを取り、製品仕様や顧客要望の確認、価格交渉、提案、成約、最後は製品を輸入し納入するのが役割になります。

お客様へメリットのある材料や製品を見つけ提案する作業は国内営業と変わりません。

英語(その他第二言語)を使用して海外サプライヤーと、製品仕様確認・支払い条件・契約内容の確認をしたり、価格交渉を時にハードにしていく必要があります。
また、工場監査などが必要な場合は、お客様と一緒に海外サプライヤーを訪問してアテンドする、場合によっては技術的内容の会議での通訳業務なども発生します。

こちらも既存のビジネスを担当する場合は納期調整やクレーム対応などを行い、さらなる売上拡大の深堀やクロスセルで国内顧客へ関連商材の提案を行います。

【必要なスキル】

語学力

会話ができるだけではなく、第二言語で議論・交渉ができなければいけません。
英語であれば担当の地域や国によりますが最低でもTOEIC750点はほしいところです。

海外企業と正確に意思の疎通を行うために、臆することなくコミュニケーションを取れる積極的な姿勢も必要になります。一方で専門知識に関する単語や商談で使う言い回しは、業務を通じてある程度勉強し覚えていけば問題ないでしょう。

地域・国別に必要な英語力

自国文化・担当地域文化を両方理解する

海外営業をする上で担当地域の商習慣を理解し説明できることは必須ですが、よく見落としがちですが自国(日本)の商習慣を海外企業へ説明できなければなりません。

お互いの商習慣を理解し、相違点を擦り合わせる必要があるので、海外営業だからといって自国の商習慣を学ばないで良いわけではありません。

その為、海外営業経験のみより国内営業経験もある海外営業マンの方が調整や交渉などの面でより活躍できるとも言えます。

主体性・適応力

異国の文化、商習慣を理解し、違うことに違和感を覚えず、違って当たり前の精神がなければ海外企業と良好なリレーションシップを築くことができません。日本人は島国なので違うことに敏感ですが、逆にあの国は違う考え方で面白いと思えるようになりましょう。

海外営業は言語の問題を超えて、相互理解しながら、主体的に目標達成のために工夫してビジネスを上手く進めるスキルが重要です。ときには非常に忍耐力が試される交渉や商談がありますので、我慢強く状況に応じて対応していく必要のある職種です。

【海外営業で気を付けるべきこと】

言語、商習慣の違いによる誤解

注意が必要な点は海外の商取引に関する考え方の違いから起こる理解の相違を引き起こさないことです。せっかく成約しそうだったのに、仕様や支払い条件などに誤解があって失注するなんて話は山ほどありますので注意が必要ですね。

納期調整

特に海外からモノを仕入れるときに注意が必要なのは納期を厳守できるように常に密にサプライヤーを管理する必要がある点です。国内のサプライヤーのように一度納期を確認すればその通りに手配されているなんて夢のような話はありません。定期的に確認をしないとあとで痛い目を見るのはあなたですのでご注意ください。

文化の違い

海外営業をいていて難しいと感じるのは、国内のお客様・サプライヤーと海外のお客様・サプライヤー間の考え方の違いを擦り合わせることです。ビジネスにおいて国内の基準と海外の基準はいまだ大きなズレがあることが多いので、間に入って丁寧に説明をしてお互いの理解の足並みを揃えていく作業が必ず必要になります。どちらの文化も、言語も、習慣も理解している海外営業として一番の腕の見せ所となるかもしれません。

【まとめ】

海外営業と聞いて特別な仕事をしているイメージを持たれることも多いと思いますが、営業は営業であって、国内だろうと海外だろうとモノを売るプロセスは同じです。
もちろん、必要なスキルや知識は違う部分もありますが、仕事内容という面では地道で愚直な営業活動が必要になります。国内、海外に関わらず営業活動は同じです。

非常に粘り強さと積極性が大切ですので、いま海外営業を目指している方や転職を計画している方には、営業としてモノを売るスキルを第一に身に付けることさえできれば海外営業でも活躍できるはずです。大げさに言ってしまえば、英語や貿易実務は実際に海外営業部に配属されれば、嫌でも覚えますので先ずは挑戦してみましょう。

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