自責思考のメリット・デメリット

人生論
最近よく他責思考は悪で自責思考は善といった意見を多く見かけますので、今回は自責思考のメリット・デメリットを考察していきたいと思います。

【自責思考・他責思考とは】

実は私も自責思考を取り入れるべきだと考えているひとりですが、自責思考を正しく理解していない場合、大きな負担になる点をお伝えしたいと思います。

まず自責思考とは何なのかですが、読んで字のごとく、自分に責任を求める思考のことを指します。自責思考では、問題が起こったときに「自分」に目を向けることで問題の原因を探っていきます。一方で他責思考とは真逆の考え方で問題が起こったときに「他人」に目を向けることで問題の原因を探っていきます。

よくアスリートが自責思考の分かりやすい例として出てきますね。彼らは結果に対して「自分の力が足りなかった」と自責思考を持っていることが多いです。なぜなら他責思考は何か外部環境に責任を転嫁することで自分を正当化し成長を妨げるからです。

【自責思考のメリット】

さて、ここまで各自責思考と他責思考を解説しましたが、やはり自責思考を身に付けて人間としても各分野のスペシャリストとしても成長したいと皆さん思われると思います。

実際に私も自責思考のメリットを実感しているひとりです。

メリット1:自由になれる(心に余裕を持てる)

自責思考最大のメリットは結果に縛られることがなくなることです。自責思考とは「人生を自分でコントロールする」ことです。反対に他責思考は「人生を誰かに託す」つまり、誰かにコントロールされるため自由ではありません。

よく本当の自由には責任が伴うと言うのはまさに自責思考だと思います。

進路を決めるのも、やりたいことに挑戦するかしないかを決めるのも、最終的に全て自分の中で納得して決断することで、結果に対して納得感を持つことができるし、さらに成長する余地があります。自分で決断を下す作業は非常に大変なことですが、その分ある意味自由です。

一方で他責思考は楽です。進路も就職先、留学先、やりたいこと、仕事内容も全て親や友人、上司の意見をそっくりそのまま反映させることで結果に対しての責任をある意味放棄できます。ただ、自分の決断を誰かに委ねるということは自分自身の人生を他人がコントロールすると言う事です。人生は決断ですから、その大事な決断を他人が決める事となります。

メリット2:成長できる(納得できる)

自責思考は成長と切っても切れない関係性があります。自分で考えて、周りの人のアドバイスに耳を傾けながら、自分である程度の納得感を持って行動した結果、失敗をしたとき人は成長します。訳も分からず言われたままに行動して失敗するのとは結果に対する納得感が違いますよね。

例えば、あなたが親や先生、上司の言う通りに行動を取ったとします。しかし、望んでいた結果が得られなかったとき、進路であれ、スポーツの成績であれ、仕事の成績であれ、何でもですが結局は自分の人生なので自分で責任を取るはめになります。あなたがどんな行動をするにせよ、自分自身の中である程度の納得感がなければ真正面から結果を受け入れることができません。納得感の欠如は成長を阻みます。なぜなら納得するためには考える(自問自答)する必要があるからです。考えるプロセス無くして納得感を得ることはできません。

納得感のある失敗は経験となりますが、納得感のない失敗は考えるプロセスがないため、ただの結果として消えて無くなります。人生を自分でコントロールすると決めることで結果を自分事として受け止めることができ、なぜ上手くいかなかったのか、どうすれば次は上手くできるのかを考えます。失敗を自分事として捉え、経験にすることで成長ができるのです。

メリット3:自分にフォーカスできる

大事なことは、外部環境(変えられない事柄)に目を向けるのではなく、内部環境(変えられる事柄)に目を向けることでしか、成長や変化をすることはできないという事実です。

どんなに嫌な仕事、取引先、先生、親、友達も、変えることはできません。

他責思考とは変えることのできないことを失敗の原因とします。

その反面、自責思考は変えることのできること、つまり自分自身にフォーカスするのです。私の好きな言葉のひとつに「馬を水際まで連れていくことはできるが、馬に水を飲ませることはできない」という言葉があります。どんなに衰弱した馬に水を飲ませたくても、馬自身が水を飲みたいと思わない限り、馬を救うことはできません。

つまり、変えることのできるのは自分の行動・決断しかないのです。

自分の責任範囲にフォーカスすることができれば結果はどうあれ後悔はありません。

なぜなら、あなたは全ての物事をコントロールできないことを一番知っているからです。

【自責思考の注意点】

行き過ぎた自責思考や間違った自責思考に対する考え方は、健康なメンタルを虫食む可能性もありますので、正しく自責思考の範囲を理解することが大切です。

注意点1:過剰な自責思考

行き過ぎた自責思考は心の健康に悪影響を及ぼします。アスリートでも営業マンでも子育て中のママでもそうですが、コントロールすることのできない結果に対して自分に全て責任があると思い込んでしまうことがあるのです。

例えば、アスリートが試合に負けたとき、営業マンが契約を逃したとき、子供が悪さをしたとき、自分の精一杯とは裏腹に結果が付いてこない時もあるものです。それは、チーム事情、市場環境、または子供の学校教育環境など、それぞれコントロールできない要素も結果には反映されることが多いからです。

どれだけあなたが頑張っても結果や他人を完全にコントロールすることはできません。

コントロールできるのはあなた自身の行動に納得して責任を持つことだけですよね。

自責思考も自責に偏りすぎるとかなり質の悪い宗教のようになってしまうので、この点は注意が必要です。

注意点2:プレッシャーを感じ成長機会を奪う

こちらも行き過ぎた自責思考からくる弊害ですが、過度なプレッシャーを感じ成長の機会を自ら奪ってしまう場合が多々あります。チームが勝てないのは自分のせいだ、売上を上げれないのは自分のせいだ、と結果に対して全てを自責で考えるのは好ましくありません。

なぜなら、例えあなたが将来有望な選手でもチーム全体のレベルが低ければ全国大会で優勝する確率は限りなく低いでしょう。どんなに営業のスキルを磨いても所属会社の扱う製品市場がシュリンクしていれば、大きな売りを立てるのは難しいです。

つまり、自責思考はあくまで自分自身の行動を自分で納得して決断する事であり、全ての結果に対して責任を追う事ではありません。あなたはチームを変えることも、会社を変えることもできる。自問自答した結果、環境を変える選択をすることで、より望ましい結果をコントロールしやすい環境を整えることもできるのです。

もちろん、自分で判断して取った行動がある一定の度合いで結果に反映されますので、考えるプロセスを飛ばして責任転嫁するだけでは、成長できませんしそれは正しい自責思考とは言えません。ただ、正しい自責思考の基により良い環境を求めることで行き過ぎた自責思考による成長機会の損失を防ぐことができます。

【まとめ】

結論として正しい自責思考を身に付け、ある意味、思考のバランスを取ることが一番重要です。考えるプロセスなしにただの責任転嫁は成長を妨げますが、結果の分析に基づいた環境の変化はより良い結果をもたらすことが大いに期待できます。自分のコントロールできる部分に責任を持ち、自分の影響が及ぶ行動範囲がどこまで結果に反映されたのか、あくまでその部分にフォーカスして何を次に活かせるかを考えることで新たな成長が生まれます。
ぜひ正しい自責思考を身に付けて、自分の人生を自分でコントロールしていきましょう。

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